ADSLとはNTTが提供している電話回線(デジタル回線)を利用したネット回線サービスです。
2000年の始まりとともに一般家庭にも浸透したネット回線で、現在でもADSLを使用している事業者は多くいます。そのADSLによくあるのが「ADSLでWi-Fiって使えるの?」という質問です。
そこで、今回は電話回線のADSLでWi-Fiは使えるのか、サービスのメリット・デメリットをご紹介します。また、ADSLってそもそも何なのか詳しくご説明しますのでぜひ参考にしてみてください。
1.電話回線のADSLでもWi-Fiは使える?
よくある質問「ADSLってWi-Fiは使えるの?」の回答ですが、ADSLでもWi-Fiは使えます。
と言うのも、Wi-Fiはただネット回線の電波をWi-Fi機器によって中継しているだけです。それが電話回線であっても、光回線であってもネット回線サービスでさえあれば同様に使用できます。
家電量販店などでWi-Fi機器を購入してきて、あとは説明書の通りの接続設定するだけです。
ただし、この後紹介しますが電話回線のADSLは光回線に比べて速度は遅くなります。無線は有線よりも遅くなりやすいため、Wi-Fiにしてしまうとネットの快適性は下がるかもしれません。
2.電話回線のADSLってそもそも何?
ADSLでもWi-Fiは使用できるとのことでした。では、そもそもADSLってどのようなサービスなのでしょうか?名前は知っていても詳しくは答えられない、ADSLの基本についてご説明しましょう。
デジタル回線を使用したネット回線のひとつ
ADSLは電話回線(デジタル回線)を使用したNTTのネット回線サービスです。
かつてネット回線は速度が遅く、費用は高いということから企業や政府、研究機関など一部の組織がメインで一般家庭には普及していませんでした。そもそも一般向けのサイトも無かったです。
それが1999年にADSLが登場するとこれまでよりも圧倒的に速く、かつ費用を抑えられることから注目を集めます。2001年に大手通信事業者が参入したことで一般家庭にも普及し始めました。
2003年に国内のネット回線普及率が64%に到達し、そこからさらに各社の競争が激化します。2004年には加入者が1,000万人を突破したほどで、日本のネット環境はADSLが作ったと言えるでしょう。
ADSLと光回線ってどこが違うの?
2008年ごろから普及してきた「光回線」により契約者数は減少の一途を辿っているものの、いまだADSLを利用している事業者は多くいます。では、ADSLと光回線は何が異なるのでしょうか?
- 回線の種類:ADSLは電話回線/光回線は光ファイバー
- 通信の速度:ADSLは約47Mbps/光回線は約1Gbps(1,000Mbps)
- 通信の安定:ADSLは電波等に弱い/光回線は影響されにくい
- 月々の料金:ADSLは3,000円前後/光回線は5,000円前後
- 開通の日数:ADSLは1週間程度/光回線は1ヶ月程度
ADSLと光回線には一長一短あるものの、やはり「速度」と「安定性」が重要ですから光回線に強みがあります。ただ、速度を気にせず、すでにADSLを通しているのならそのままにするのもひとつです。
3.ADSLで考えられるメリット・デメリット
ネット回線は速いほど快適ですし、Wi-Fiにしても速度を維持できるのは確かです。それでもなおADSLの加入者が一定数いるのには理由があり、ここからはメリット・デメリットをご紹介します。
ADSLのメリット
ADSLの一番のメリットは「維持費の安さ」です。
先述したように、ADSLの月額料金は3,000円前後、対して光回線は5,000円前後します。たった2,000円の差ではありますが、12ヶ月で24,000円、120ヶ月で240,000円とけして無視できない差です。
また、ADSLは「エリアが広い」のも特徴でしょう。
ADSLはNTTの電話回線(デジタル回線)を使用しているため、ほぼ全国どこでも導入できます。光回線のように回線が近くまで通っていなくて、開通までに何ヶ月も待たされることはないのです。
ADSLのデメリット
ADSLの一番のデメリットは「通信速度」にあります。
ADSLの最大速度(下り)は約47Mbps、対して光回線は約1Gbps(1,000Mbps)と単純計算でADSLのおよそ21倍です。画像や動画が当たり前となった今日、速度の差はストレスになります。
さらに、ADSLは「安定性が低い」のも問題です。
家電から発せられる電磁波、空気中に漂っているノイズでさえ影響することがあります。そのADSLをさらにWi-Fiで利用したとき、環境によっては安定した通信を確保できなくなるかもしれません。
4.まとめ
ADSLでもWi-Fiは使用できるので、すでにネット回線が通っているのならあとは家電量販店などでWi-Fi機器を購入してきて設定するだけです。最近では機器レンタルを行っている通信事業者もいます。
ただし、ADSLは電話回線(デジタル回線)を使用しているため光回線に比べると速度は遅いですし、電磁波などのノイズにも弱いです。Wi-Fiにしてしまうとさらに環境が悪くなる可能性があります。
ADSLでのWi-Fiの使用はその特徴も理解し、可能なら有線を中心に構築するのがいいでしょう。
今後、ネット環境を強化してく予定であるのなら、この機会に光回線を検討するのもひとつの手です。