ADSLは光回線に比べて月額料金が安く、電話回線さえあれば契約できるなど人気のサービスでした。
少しでも月額料金を抑えたい、オフィスにまで光回線が通っていないときはADSLを選べば良かったのです。しかし、残念なことに電話回線のADSLはサービスの提供が終了に向かっています。
そこで、今回はネット回線のひとつ「ADSL」はいつ終了するのか、終了する理由についてご説明しましょう。また、別案としてオフィスにおすすめするネット回線についてもご紹介しています。
※ISDN(別の電話回線)、一部のADSLのサービスは新規契約を受け付けています。
1.電話回線のADSLは終了に向かっている
電話回線の一種「ADSL」は月額料金が3,000円〜5,000円と光回線よりも安く、通信速度(ダウンロード)も約47Mbpsとウェブサイトの閲覧や音楽の視聴程度であれば十分な性能でした。
その為、月額料金を抑えたいオフィスにとって電話回線はとても魅力的なサービスだったのです。
しかし、NTT東日本・NTT西日本の発表によるとフレッツ・ADSLを使用したネットサービスは2023年1月31日をもって提供が終了されます。これは光回線に対応しているエリアが対象です。
「光回線のエリア外だったら大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、すでに都市部を始めとした主要なエリアには光回線が通っています。結局のところほとんどのエリアで終了してしまうのです。
さらに、NTTの発表にともない主要なプロバイダは電話回線(ADSL)の新規契約を中止しました。
ソフトバンクのネット回線サービス「Yahoo! BB ADSL」のようにまだ新規契約を受け付けているものもありますが、電話回線を使用するADSLが終了する流れに向かっているのは確かです。
NTT東日本・NTT西日本のプレスリリースはこちら
2.電話回線のネットが終了する2つの理由
オフィスのネット環境に電話回線のADSLを検討している方にとって、サービスの終了が決まっている事実は驚きかと思います。では、なぜ電話回線のADSLのサービスが終了してしまうのでしょうか?
契約者数の減少
電話回線のADSLが登場したのは1999年、以降2000年初期にかけて日本のネット環境の発展にともない規模を拡大していきました。2004年ごろには契約者数が1,000万人を突破したほどです。
しかし、光回線やモバイルWi-Fiルーターなど電話回線以外のネット回線サービスが登場し、それらはどれもADSLより高性能でした。新しいサービスの登場で契約者数が減少していくのは当然です。
1,000万人以上いた契約者数も2014年にはわずか70万人弱になり、2019年現在ではさらに減少していることが予想されます。プロバイダ側も利益にならないADSLは終了したいのが本音でしょう。
固定電話回線の廃止
今回はオフィスのネット環境として電話回線のADSLが廃止される話題を取り上げていますが、実はネット回線サービスとしてだけでなく2025年には固定電話回線もまた廃止が予定されています。
と言うのも、スマホが普及し、LINEやFacebookなどのSNSが当たり前となった今日において若い世代の固定電話離れが進んでいるのです。事実、20代の固定電話保有率は約12%しかありません。
そこで、NTTは固定電話回線に代わる電話網として「IP網」を計画しています。固定電話がネット回線に移行する中で、ネット環境のためにあえて電話回線を保持するのは非効率ということです。
3.オフィスにおすすめする2つの検討先
電話回線のネット回線サービスとして定番であった「ADSL」は終了に向かっているとのことでした。では、オフィスに導入するネット回線をどこにすべきなのかですが、2つのおすすめがあります。
光回線
ネット回線としてADSLに変わって主流となっているのが「光回線」です。
各プロバイダもこぞって専用のサービスを提供しており、何と言っても光回線の通信速度は約1Gbps(1,000Mbps)とADSLの21倍以上で超高速、より快適なネット環境を提供できます。
さらに、電話料金や電気料金、ガス料金のように「別のサービス+光回線」と組み合わせたセット割引もよく見かけるので、上手に選べば電話回線よりも月額料金を抑えられるのも魅力的です。
WiMAX
光回線の工事がネックになっているのなら「WiMAX」がおすすめです。
WiMAXとは「モバイルWi-Fiルーター」の一種で、移動可能な中継器を使用してネット環境に繋げるサービスです。その為、工事の必要は一切なく、オフィスを開設したその日から使用できます。
また、通信速度は光回線ほどではないものの電話回線のADSLに比べると圧倒的に速いです。ただ、一部対応していないエリアもあるため、契約前にオフィス周辺の電波状況を確認する必要があります。
4.まとめ
ADSLは月額料金が比較的安く、電話回線さえあれば大掛かりな工事の必要がないことから、費用を抑えたいオフィスに人気のネット回線サービスでした。
しかし、NTTでは2023年1月31日をもって提供が終了します。また、他のプロバイダも2025年前後には終了することが予測され、すでに主なサービスでは新規契約が終了しているほどです。
その為、これからオフィスのネット回線を選ぶのであれば、電話回線以外も検討することをおすすめします。例えば、光回線やモバイルWi-Fiルーターなどのネット回線です。
もちろん、あえて電話回線を選ぶことはできますが、近々終了することは覚えておきましょう。
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