国際電気通信連合(ITU)が2018年末に発表した所によると、インターネットは今や世界中で普及していて約39億人のユーザーがいるようです。これは世界総人口の51.2%にも上るカバー率です。
しかし一口にインターネットと言っても色々な種類があり、それぞれデータをやり取りする速度はかなり違います。この記事では現在日本で主に使うことができる電話回線とインターネット接続方法、そしてそれぞれのネット速度について解説したいと思います。
1.ダイヤルアップのインターネット速度はかなり遅い
ダイヤルアップ接続はアナログ電話回線やISDN電話回線で使われる方法で、メタル線と呼ばれる同じ線を使っています。ダイヤルアップ接続は基本的には電話の通信方式に似た仕組みでネットを行います。
ダイヤルアップ接続は非常に低速
ダイヤルアップ接続はとてもネット速度が遅いことで知られています。アナログ電話回線とISDN回線でダイヤルアップを使った場合の速度は以下の通りです。
- アナログ回線の場合:最高56kbpsまで
- ISDN回線の場合64kbps〜128kbpsまで(INSネット64の場合)
「kbps」とは「1秒間に何キロビットのデータを転送できるか」という速度を表す単位です。「1ビットは0.125バイト(8ビット=1バイト)」です。
このダイヤルアップ接続の速さはかなりの低速です。一般的に128kbpsほどの速さだとTwitterをストレスなく表示させることはできません。Google検索はできないわけではありませんがやはり結果が表示されるまでにタイムロスを感じます。Youtube動画だと途中で何度も止まってしまいます。
ISDNの最高が128kbpsということはアナログ回線だとさらにネット使用にストレスを感じてしまいます。
2.ADSLのインターネット速度は住所によって変わる!
ADSLはアナログ回線を使用したインターネット接続方法で、電話が使っていない周波数帯を利用しているのが特徴です。高速通信ができるADSLの登場によってダイヤルアップ接続は主役の座を奪われた感じになりました。ADSLはダイヤルアップ接続と違って従量制ではなく月額料金制だったのも主役交代の理由です。
ADSLの速度
ADSLの速度はサービス提供会社のプランによって幅があります。一例としてNTT東日本のフレッツ・ADSLの速度を見てみましょう。
- モアIII(47Mタイプ)
- モアII(40Mタイプ)
- モア(12Mタイプ)
- 8Mタイプ
- 1.5Mタイプ
- エントリー(1Mタイプ)
()内の数字はダウンロード速度
1M~47Mとかなりの差がありますが、料金はネットスピードが速くなればなるほど高額になります。
ADSLの速度は変動する?
ADSLの速度にはいくつかプランがありますが、実はプランだけでなく他にもADSLのインターネット速度に影響を与える要素があります。それはNTT基地局からの距離です。基地局からの距離が遠くなるほど信号が伝わりにくくなり、結果的に速度が下がってしまうのです。
3 .光回線のインターネット速度は驚きの速さ!
光回線は「FTTH(Fiber To The Home)」とも呼ばれるインターネット接続方法で、光ファイバーケーブルを使った接続を行います。ダイヤルアップ接続を経験したことがある人にとってADSLの登場とその速度は驚きでしたが、光回線を使ったネット速度はADSLをはるかに上回ります。
光回線インターネットの速度
光回線を使ったインターネットプランは色々とあり、提供されているプランによって理論上の速度は以下のように変わります。
- NUROひかりの場合
- auひかりの場合
- フレッツ光の場合
- ドコモ光の場合
- So-net光の場合
- 電力会社系の場合(ピカラ光、BBIQ、メガエッグ)
- 電力会社系の場合(eo光、コミュファ光)
最大ダウンロード速度:10Gbps、6Gbps、2Gbps
最大ダウンロード速度:1Gbps、5Gbps、10Gbs
最大ダウンロード速度:1Gbps
最大ダウンロード速度:1Gbps
最大ダウンロード速度:1Gbps
最大ダウンロード速度:1Gbps
最大ダウンロード速度:1Gbps、5Gbps、10Gbs
10Gbpsは世界最速の速度です。もちろんこれはあくまで理論値で実際に常にこの速度が出るかどうかは分かりませんが、高画質の動画を大量にダウンロードしたりオンラインゲームを頻繁に行ったりするヘビーネットユーザーであれば大満足の速度です。やはりネットはさくさく使えると気持ち良いですよね。
ADSLは最大でも50Mbpsくらいであることを考えると、オーソドックスな1Gbpsでもかなりの速度です(1Gbps=1024Mbps)。これはYouTubeの標準画質(360p)の5分動画のデータ量を40MB(メガバイト)とした時に、わずか0.32秒でダウンロードしてしまう速さです。8.5Gb(ギガバイト)のDVDも約68秒でダウンロードする驚きの速さです。
1Gbpsでこの実力となると、5Gbpsや10Gbpsがとてつもなく速い速度であることが分かりますよね。
4.まとめ
ダイヤルアップ接続とADSL、そして光回線という3パターンのインターネット速度を比較しました。光回線とダイヤルアップ接続を比べると、ウサイン・ボルトとよちよち歩きの赤ちゃんほど移動速度が違います。高速なサービスが利用できる分月額料金などは高くなりますが、それでも最近は少しずつ安くなってきているので光回線はおすすめです。
ADSLもダイヤルアップ接続も今後数年以内にサービスが廃止されることが予想されます。そのため今後長くネットを使いたいなら光回線が主な選択肢になるでしょう。ただし光回線がまだエリア範囲内になっていない地域であれば、ADSL回線などを契約することになります。ADSLは光回線より低速ですが、動画視聴やネット検索、メール閲覧などはそれほどストレスなく行えます。